ゆっくりと大人のADHDの治療をすることです

大人のADHDを治療するには、まず自分がどうなっているのかを理解することから始めます。何でも完璧を目指してしまうと目標がなかなか達成できないために、諦めてしまう癖がついてしまいます。完璧にやろうとして辛くなるくらいならば、少しずつでもいいので、前を向いて進んでいくことになります。完璧主義を辞めることによってより自分を見つめなおすことができますので、苦手な家事は家族に任せるようにしたり、できることは自分でやるという感じでも改善できます。自分でやってみて、どうしてもできないことを家族に任せるのは、実は大人のADHDではいいことになります。休みながらでいいので、できることから手をつけていくようにすると治療効果も上がっていきます。何事も強迫観念に駆られないようにすることで、新しく生活ができるようになります。

大人のADHDの最強の治療法は環境を整えること

大人のADHDは知的障害と違い、見た目だけでは判断が難しい障害です。見た目が普通なだけに特性により起こしてしまう失敗の多さから周囲から「雑でいい加減な人」という印象を与えてしまい、孤立や二次障害のうつ病を発症してしまうケースが多く見受けられます。そうなってしまうと身近で支えてくれている家族やパートナーにも負担を掛けてしまいます。そうならない為にも早めの診断と適切な治療が必要になってくるわけですが、早めの診断といっても大人になってからでも遅すぎることはありません。主な治療としてはストラテラによる薬物療法が適切とされております。ストラテラとは、ADHDを発症していなければ発揮出来ていた本来持ち合わせている能力に刺激を与え、少しづつその能力を開花させるための薬品です。しかし、即効性に欠けるため一度や二度程度の服用ではその効果を実感することは出来ません。長期服用が不可欠なのでサポートする側も当事者の飲み忘れがないよう配慮する必要があります。もう一つは本人にとって適切な環境を整えてあげることです。上記で述べたようにADHDに知識がない人からすれば本人のやる気の問題として片づけられてしまいがちですがこれは本人の努力の問題ではなく、脳の機能障害によるものなので、本人を責め立てるのはお門違いです。そのため当事者が慌てて行動しなければいけないような環境を避け、落ち着いてゆっくり考えて行動出来る環境を整えてあげる必要があります。環境を整えることにより当事者は自身で反省点と改善点を導き出し、症状が目立たせなくすることが可能です。薬物療法も大事ですが、環境が改善されなければ効果も半減してしまいます。

大人のADHDは薬だけの治療では改善出来ない

ADHDの治療に使われる薬品にはコンサータとストラテラの二種類の使用が認められています。コンサータは正式名称「中枢神経刺激薬」と言われており、脳の中枢神経をダイレクトに刺激するので即効性が期待できます。注意力散漫や衝動性の抑制などを改善させ、ADHDの症状を和らげます。しかし中枢神経刺激薬は依存性が強く、薬に慣れるにつれ、効果が切れるとイライラしたり、吐き気、睡眠障害などといった副作用も比較的多く認められます。一方、ストラテラは「前頭葉」に刺激を与え脳のノルアドレナリンを増やすことでADHDの症状を改善させます。ストラテラは効果の強さとしてはコンサータよりは劣ります。しかし薬の効能が前頭葉のみにとどまるため、依存性がなく、乱用などのリスクもほとんどないお薬です。また、吐き気などの副作用はあるものの、程度としてはコンサータ程強くありません。一方でストラテラのデメリットとしては、効果が穏やかで効くまでに時間がかかることが挙げられます。また、子供と比べ、大人のADHDの場合薬の効き目には違いがあり、コンサータのような強い薬でも上記にような即効性が確認出来ない場合もあります。特に大人のADHD患者の場合うつ病などの精神疾患も抱えてる場合が多く、環境をそのままに薬品の投与だけに頼ると効果が薄くなるうえに副作用だけが残るという悪循環に陥る恐れもあります。なので、まずは当事者への理解を示しつつ適切な環境を提供してあげるのが大事です。